EF65の延命工事近況               1991.9.05改訂3
                                 1991.11.23改訂4
■はじめに
 EF65も最初の新製されたものは車齢が20年を越えている。最近、延
命工事を受けた車両が増えている。以下で、走行中又は機関区での運用待ち
中に調査したEF65の延命工事施行の近況を述べ、延命工事施行の対象と
なる一般型及び高崎機関区の500代機の今後の全般検査年月を予測する。
 なお、工場出場時に車体の塗色がJR貨物色に変更された車両を延命工事
の施行機とした。また、調査は首都圏で見られるEF65を対象とした。
■延命工事施行の近況
 筆者が確認した、1989年以降に工場から出場した車両について、延命
工事の有無を表1、表2で示す。
 これから見ると、延命工事が本格的に開始されたのは1989.11出場
車両からで(最初の21号機は除く)、延命工事を受けたのは車両は全て1
965〜66年に新製の車両であり、1965〜66年新製車両の工場出場
車両39両の内で延命工事を受けたのは26両である。
 これらの内、502、504、507、508、509、512、514、505号は
車体中央のナンバの上の大文字のJRと小文字のFREIGHT(貨物の意味)がまわりより明るい
空青色で四角く囲われている(表1のアンダーライン号機)。1991年1月以降に工場から出場した
車両の内で塗色変更されたのは、504、512、514、508、35、67、515、505号で、
塗色変更されなかったのは、32、34、53号である。

    表1 工場入場時延命工事施行車両














 
 号 機   施行年月  号 機   施行年月
65-19 出場1990.5 65-74 出場1990.8 広→岡
65-21 出場1989.2 65-75 出場1990.6
65-24 出場1991.1 65-76 出場1990.7
65-28 出場1990.10 65-502高機 出場1990.3
65-31 出場1990.10 65-504高機 出場1991.3
65-35 出場1991.17の間 65-505高機 出場1991.10
65-36 出場1990.7 65-506高機 出場1989.11
65-47 1991.3.2以前 65-507高機 出場1990.11
65-49 出場1990.5 65-508高機 出場1991.7
65-62高機 出場1990.3 65-509高機 出場1990.9
65-64 出場1989.11 65-511高機 出場1990.1
65-67 出場1991.7 65-512高機 出場1991.1
65-72 出場1990.1 65-514高機 出場1991.6
65-73 1991.4.24以前 広→岡 65-515高機 出場1991.9














 
 
    表2 1989.11以降の出場時、JR貨物塗色がされなかった車両










 
 号機 出場年月日  号機 出場年月日
65-22  1990.2 65-34  1991.4
65-25  1990.1 65-37  1990.8広島車
65-27  1989.11 65-50高機  1989.11
65-29  1990.4 65-53高機  1991.3
65-30  1990.12広島車 65-61高機  1990.2鷹取工
65-31  1990.10広島車 65-85  1991.10鷹取工
65-32  1991.3 65-96  1990.11
    65-97  1990.12
    65-535高機  1992.1
       










 
 
■高崎機関区の500代機の今後の全般検査年月の予測
 1989.11以降の出場の特急塗装のP型、F型は全て塗色がJR貨物色に変
わっており、今後、全般検査で車体の塗色がJR貨物色に変わると考えられ
る。高崎機関区の500代機の全般検査周期は表3に示すように、ほぼ6年
と推定される。これから、まだ延命工事が未施行の500代機の最近の全般
出場年月に6年を加えた年月を次回の全般出場年月としたものを表4に示す。
これによれば、今年(1991)末までの該当する号機は65-522(6.29現在未入場)である。
 
   表3 高崎機関区の500代機の全般検査周期推定









 
 号 機   最 近  前 回  検査周期(年.)
65-504高機  1991.3 1984.12   6.4
65-509高機  1990.9 1984.8   6.1
65-512高機  1991.1 1984.11   6.2
65-514高機  1991.6 1985.7   5.11
65-515高機  1991.9 1985.9   6.0
65-519高機  1987.7 1983.5 鷹取工   6.2
65-533高機  1988.5 1982.11鷹取工   5.6
    平均全検周期      5.8     
    全期間高崎機関区の場合の全検周期      6.1     









 
 
 
  表4 高崎機関区の500代機の次回全般検査年月予測















 
 号機 全検出場年月 次回全検年月  号機 全検出場年月 次回全検年月
65-522高機 1985.9  1991.10 65-513高機 1986.10  1992.11
65-530高機 1985.12  1992.1 65-524高機 1987.7  1993.8
65-536高機 1985.12  1992.1 65-521高機 1987.11  1993.12
65-528高機 1986.1  1992.2 65-520高機 1988.2  1994.3
65-516高機 1986.2  1992.3 65-526高機 1988.2  1994.3
65-531高機 1986.2  1992.3 65-537高機 1988.2  1994.3
65-535高機 1986.3  1992.1 65-518高機 1988.3  1994.4
65-541高機 1986.3  1992.4 65-538高機 1988.4  1994.5
65-517高機 1986.4  1992.5 65-532高機 1988.6  1994.7
65-529高機 1986.4  1992.5 65-519高機 1988.7  1994.8
65-539高機 1986.4  1992.5 65-523高機 1988.7  1994.8
65-527高機 1986.6  1992.7 65-533高機 1988.8  1994.9
65-540高機 1986.7  1992.8 65-534高機 1988.9  1994.10
65-525高機 1986.9  1992.10 65-510高機 1989.6  1995.7
65-542高機 1986.9  1992.10 65-503高機 1989.8  1995.9
  
 
 
■一般型の今後の全般検査年月の予測
 一般型の全般検査周期は表5に示すように、東海道山陽筋は4年4ヵ月、
高崎機関区車は上記の通り6年1ヵ月と推定した。これから、まだ延命工事
が未施行の一般型の最近の全般出場年月にこれらの年数を加えた年月を次回
の全般出場年月としたものを表6に示す。これによれば、今年(1991)
末までの該当する号機は 65-88岡、65-116稲、65-86稲、65-103稲 である。
 また、表7に一般型の未調査号機をまとめて示す。
 
   表5 一般型の全般検査周期推定




 
号 機  最 近  前 回 検査周期(年.)
65-61高機 1990.2鷹取工 1985.8鷹取工  4.6
65-63 1989.7 1985.4  4.3
65-97 1990.12 1986.10  4.2
    平均全検周期     4.4      




 
 
 
  表6 一般型の次回全般検査年月予測






























 
 号 機 全検出場年月 次回全検年月  号 機 全検出場年月 次回全検年月
65-88 1987.6 1991.10 65-121 1989.4 1993.8
65-116 1987.7 1991.11 65-125 1989.5 1993.9
65-86 1987.8 1991.12 65-127 1989.6 1993.10
65-103 1987.8 1991.12 65-63 1989.7 1993.11
65-89 1987.10 1992.2 65-124 1989.7 1993.11
65-100 1987.10 1992.2 65-129 1989.7 1993.11
65-108 1987.10 1992.2 65-71 1989.8 1993.12
65-99 1987.11 1992.3 65-122 1989.8 1993.12
65-107 1988.1 1992.5 65-126 1989.9 1994.1
65-94 1988.2 1992.6 65-128 1989.9 1994.1
65-119 1988.4 1992.8 65-130 1989.9 1994.1
65-93 1988.6 1992.10 65-110 1989.10 1994.2
65-115 1988.6 1992.10 65-27 1989.11 1994.3
65-118 1988.8 1993.12 65-25 1990.1 1994.5
65-57 1988.9 1993.1 65-22 1990.2 1994.6
65-5 1988.10 1993.2 65-29 1990.4 1994.8
65-55 1988.10 1993.2 65-3高機 1988.10 1994.11
65-17 1988.11 1993.3 65-6高機 1988.10 1994.11
65-38 1988.11 1993.3 65-46高機 1988.10 1994.11
65-8 1988.12 1993.4 65-37 1990.8 1994.12
65-54 1988.12 1993.4 65-43高機 1989.1 1995.2
65-66 1988.12 1993.4 65-30 1990.12 1995.3
65-2 1989.1 1993.5 65-96 1990.11 1995.3
65-14 1989.1 1993.5 65-97 1990.12 1995.4
65-52 1989.1 1993.5 65-59高機 1989.4 1995.5
65-18 1989.2 1993.6 65-60高機 1989.5鷹取工 1995.6
65-9 1989.3 1993.7 65-56高機 1989.6 1995.7
65-10 1989.3 1993.7 65-58高機 1989.8広島車 1995.9
65-20 1989.3 1993.7 65-50高機 1989.11 1995.12
65-70 1989.3 1993.7 65-61高機 1990.2鷹取工 1996.3
 
   表7 一般型の未調査車両



 
65-4
65-68
65-69
65-87
65-90
65-91
65-92
65-95
65-98
65-101
65-102
65-104
65-105
65-106
65-111
 
65-112
65-113
65-114
 
65-117
65-120
65-123岡電
 
 
 
■EF65の全般検査周期からみた酷使度
   酷使度=74÷周期 
    一般型高崎機の周期を1とした場合の値。大きい程酷使されていることになる。

             周期  酷使度 サンプル数
  -------------------------------------------------------------------
 一般型 東海道山陽筋  52ヵ月 1.42   3  61、63、97
 一般型 高崎機     74ヵ月 1.00   1  53
 500 高崎機     73ヵ月 1.01   3  504、509、512
 500 東海道山陽筋  65ヵ月 1.14   2  519、533
1000 新鶴見区     62ヵ月 1.19   3  1031、1037、1057
1000 田端/東海道   54ヵ月 1.37   4  1099、1101、1104、1115
1000 田端/東北    116ヵ月 0.64   1  1015

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