EF15、EF16の出入り扉の右側に何があるか 2006.4.23
 EF15−53の写真を見たら、縦状手摺りが付いているのを発見したので調べてみました。

 EF15、EF16はデッキ中央の扉から出入りします。
 また屋根に上る階段は扉の左側に付いています。
 この他に、右側にも階段がある例があります。
 さらに、右側に縦長の手摺りが付けられている例もあります。
 特に、手摺りは、写真で見るときは画像にコントラストがあり、見分けやすい角度で
 撮られている必要があります。要は対象部分が大写しされていればよいです。

 階段が扉の左側に付いているのには例外がないので省略します。
 右側がどうなっていたかの調査(写真を目視)結果を示します。

 EF16の場合

  号機 所属  右側  備考
  ---------------------------------------------
 11    長岡  階段   旧EF15-22 1948.02川崎製
  12  長岡  階段   旧EF15-23 1948.05川崎製
  20  水上  階段   旧EF15-16 1947.07川崎製
  21  水上  階段   旧EF15-17 1947.08川崎製
  22  水上  階段   旧EF15-19 1947.10川崎製
  23  水上  階段   旧EF15-18 1947.09川崎製
  24    水上  −
  25    水上  −
  26  水上  −
  27    水上  −
  28    水上  −   見えず
  29  水上  −   見えず
  30  長岡  手摺
  31  長岡  手摺

 EF15でEF16から復元された号機

  号機 所属  右側  備考
  --------------------------------------------
  1  長岡  手摺  
   2  長岡  手摺  
   3  長岡  ?  写真なし
   4  新   手摺  長岡区に在籍
   5  新   手摺  長岡区に在籍
   6  長岡  ?  見分け付かず
   7  新   手摺 76.5 長岡区に在籍
   8  新   手摺  74.12 76.8 長岡区に在籍
 20  長岡  階段 旧EF16-9   1947.11川崎製
  21  新   階段 旧EF16-10  1947.12川崎製

  凡例
  所属:時期は1973.3です。
     新 新鶴見区

 下記は上記以外に右側が手摺りであることを明確に確認出来たEF15の番号です。

   53 110 129 131 137 140 149 150 151 152

  すべて長岡区所属でした。かもしれないというケースは省略。

 ということで、右側が手摺りは長岡区の特徴ということになるわけです。
 なぜなのかが不明です。冬場に雪で滑りやすいからでしょうか。

 また、右側も階段のケースは福米用のEF16に改造された号機ですが、
 不要になって全機が長岡区に転属しました。11、12を除いてEF15に復元。
 この内で写真を撮った時期に手摺りになっていたのを確認出来たのは下記です。
  1  2  4  5  7  8    ( 3  6 は確認できず)

  雑誌等の古い写真での右側の手摺り取り付け状況
    号機       階段   手摺り  撮影時期  復元後
    -----------------------------------------------
    EF16-22   ○    ×   50.2.7   EF15-19  :年が誤植のようだ。60の誤りか。電気機関車展望
  EF16-30   ×    ×      72.5               電気機関車ガイドブックの写真

 このあたりの経緯は、古い写真がないので分かりません。

 その後、右側に階段が付いている場合に手摺りも付いている例が見付かりました。

    号機       説 明
    -------------------------------------------------------------------------
  EF16-11 右階段の左に手摺りが付いている(電気機関車ガイドブック74.8の写真)
  EF16-11 右階段の左に手摺りが付いている(実例写真参照、78.8の写真)
  EF16-12 右階段の左に手摺りが付いている(77.7の写真)
  EF15-20 付いているように見えますが、画像が不鮮明です(76.4の写真)
  EF15-21 右階段の左に手摺りが付いている(実例写真参照)
 これらは、福米用にEF16に改造された残党です。

 その後、雑誌等に載っている福米時代のEF16の写真を調べました。

    号機       階段   手摺り  撮影時期  復元後
    -----------------------------------------------
  EF16-2   ×    ×   61.2.13   EF15-2
    EF16-7   ×    ×   62.2.14   EF15-7
    EF16-10   ○    ×   54.10.16 EF15-21

  これを見ると、手摺りは長岡区在籍時に取り付けられたと思われます。
 また、階段は一部の機関車に取り付けられていたと推定できる。
  東芝改造でも、大宮工場改造でも付いている機関車がある。
  確認できた号機の製造所は川崎です。EF15で言うと、16−23号です。
  どうも、これ以外には右側に階段が付いている例は無いようです。
  →1947年度に川崎で製造された機関車に付いている。
  →取り付けた理由は分かりません。

 デッキ付機関車で扉の左右に階段があるのは、電気機関車展望を見ると、下記のみです。
  GE製のED11、ED14
  芝浦製のED33

  国鉄新潟支社のEF15形配置状況 2006.5.2作成

実例写真一覧

 石打  EF16-25水    前3674レ 1976.08.28 右側は通常タイプ。
 石打  EF16-20水    前2662レ 1977.07.03 右側は階段。
 与野駅 EF15-20長岡   2762レ  1976.04.04 右側は階段。旧EF16-9。別の写真では手摺りが付いているように見える
 東三条 EF15-2長岡  下り列車   1975.10.25 右側は手摺り。旧EF16-2
 上中里 EF15-4新   下り列車   1974.12.07 右側は手摺り。旧EF16-4
 水上駅 EF16-31長岡   前1663レ 1978.04.03 右側は手摺り。
 水上駅 EF15-110長岡 次1663レ 1978.04.03 右側は手摺り。
 水上駅 EF15-149長岡 次3781レ 1976.08.27 右側は手摺り。
 水上駅 EF16-11長岡  前801レ  1976.08.27 右側は手摺り・階段。
 石打  EF16-12長岡  前1771レ 1977.07.03 右側は手摺り・階段。
 大船駅 EF15-21新   下り列車   1974.12.08 右側は手摺り・階段。旧EF16-10

EF16-25
 写真: 石打 EF16-25水 前3674レ 1976.8.28 右側は通常タイプ。

EF16-20
 写真: 石打 EF16-20水 前2662レ 1977.7.3 右側も階段。

EF15-20
 写真: 与野 EF15-20長岡 2762レ 1976.4.4 右側は階段。旧EF16−9。別の写真では手摺りが付いているように見える

EF15-2
 写真: 東三条 EF15-2長岡 下り列車 1975.10.25 右側は手摺り。旧EF16−2

EF15-4
 写真: 上中里 EF15-4新 下り列車 1974.12.7 右側は手摺り。旧EF16−4

EF16-31
 写真: 水上駅 EF16-31長岡 前1663レ 1978.4.3 右側は手摺り。

EF15-110
 写真: 水上駅 EF15-110長岡 次1663レ 1978.4.3 右側は手摺り。

EF15-149
 写真: 水上駅 EF15-149長岡 次3781レ 1976.8.27  右側は手摺り。

EF16-11
 写真: 水上 EF16-11長岡 前801レ 1976.8.27 右側は手摺り・階段。

EF16-12
 写真: 石打 EF16-12長岡 前1771レ 1977.7.3 右側は手摺り・階段。

EF15-21
 写真: 大船駅 EF15-21新 下り列車 1974.12.8 右側は手摺り・階段。旧EF16−10

参考 国鉄新潟支社のEF15形配置状況 2006.5.2作成

1969.3.31

長岡  1−8 20 21 67 75 76 87 90 98
 37 100 101 110 114 118 128−135 137 
    149−152 156 175 191
         --------------------------------------------------------------------------
  以前 1−8 20 21(福二65.9)、67(新)、75 76(米61.10)、87(吹二60.9)
    90(米63.8)、98 100(沼64.5)、101(新)、110(沼64.2)、114(浜64.5)
    118(吹二60.9)、129(新58.1)、137(米64.5)、156(米64.9)、191(沼64.5)
 生え抜き 新製配置時からずっと居るのは:
    128 130−135 149−152
  出戻り 新製配置後他区へ移動し、戻った:
    3 4 6 20 21

1971.3.31

長岡  1−3 6 20 53 63 67 75 76 77 85 86 87 90 98
 34 100 101 110 118 129−133 137 140 
    149−152 156 175 191
         --------------------------------------------------------------------------
    増  53(宇)、63(宇) 77(新)、85(宇)、86(新)、140(岡)
  減 4  5  7  8  21(新)、114 128 134 135(東新)
  出戻り 他区へ移動し、戻った:
    53(65.10宇へ)

東新潟 108 113 114 115 119 121 127 128 
 20 134 135 139 141 142 143 145 146
    155 159 163 164
         --------------------------------------------------------------------------
  増 108 113(岡)、114(長岡)、115 119 121 127(岡)、128(長岡)、
 20 134 135(長岡)、139 141 142 143 145 146(岡)、
    155 159 163 164(岡)
    EF65が岡山区に1969.4頃から1970.8頃までの間に配置されており、所属していた
    EF15を置き換えた。移動先は長岡(140)、宇都宮(188,189)、高崎二(200)、
    東新潟(上記)であった。このときに東新潟区に初めてEF15が配置された。

1973.3.31 :変わらず

長岡  1−3 6 20 53 63 67 75 76 77 85 86 87 90 98
 34 100 101 110 118 129−133 137 140 
    149−152 156 175 191

東新潟 108 113 114 115 119 121 127 128 
 20 134 135 139 141 142 143 145 146
    155 159 163 164

1974.10.1

長岡  15
    1−3 6 20 53 63 67 75 76 77 85 86 87 90 98
 35 100 101 110 118 129−133 137 140 
    149−152 156 175 191
        --------------------------------------------------------------------------- 
  増 15(宇)

東新潟 57
    108 113 114 115 119 121 127 128 
 21 134 135 139 141 142 143 145 146
    155 159 163 164
        --------------------------------------------------------------------------- 
  増 57(宇)

1975.3.31

長岡  15
    1−3 6 20 53 63 67 75 76 77 85 86 87 90 98
 35 100 101 110 118 129−133 137 140 
    149−152 156 175 191

東新潟 37 39 49 55 56 57
    108 113 114 115 119 121 127 128、
 26 134 135 139 141 142 143 145 146
    155 159 163 164
        --------------------------------------------------------------------------- 
  増 37 39 49 55(高二)、56(宇)

1977.3.31

長岡  1−3 6 20 53 63    75 76 77 85 86 87 90 98
 33 100 101 110 118 129−133 137 140 
    149−152 156 175 191
        --------------------------------------------------------------------------- 
  減 15(高二)、67(新)

東新潟 56
    108 113 114 115 119 121 127 128 
 21 134 135 139 141 142 143 145 146
    155 159 163 164
        --------------------------------------------------------------------------- 
  減 37 39 49 55 57(新)


運用範囲(1977.3)

  長岡転
   長岡−大宮操−田端操、東新潟−直江津
  東新潟区
   東新潟−直江津、東新潟−坂町、長岡−大宮操(1975.3まで)

参考資料  国鉄車両配置表  1969 1971 1973
            EF13・15・16・18形の動き 杉田肇 鉄ピク特集集成下
       60系直流高性能機関車の履歴 杉田肇 鉄ピク特集集成下
      EF15・16 鉄道ファンNo.197 1977.9
      電気機関車快走 直流電気機関車配置表(1975.3)
      電気機関車ガイドブック 杉田肇 1974.12

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